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2021.3.19公開

 夫婦関係がうまくいっておらず離婚したいと考えているものの,話し合いによる解決が難しいという場合,家庭裁判所の調停手続を利用する方法があります。

 調停を申し立てる場合,原則として相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てをすることになります。当事者夫婦が同居中であったり,さほど遠くない場所で別居している場合には問題になりませんが,単身赴任中の場合や夫婦の一方または双方が実家に帰っているなど当事者が遠隔地で別居している場合には,申し立てた側が遠方の家庭裁判所へ出向かなければならないことになり,大きな負担となります。

 その負担を軽減する方法として,電話会議による調停があります。

 これは,遠方に住む当事者と裁判所の調停室をスピーカー機能のある電話でつなぎ,電話を介して協議を進めていくものです。

 これにより,遠方の裁判所へ出向くための時間や交通費,代理人弁護士の日当などを抑えることができ,離れて暮らす当事者でも調停手続を利用しやすくするメリットがある反面,デメリットも多少あります。

 まず,当然ですが電話会議では調停委員の顔を見ることができないため,調停委員がどのように考えているかを表情から読み取るということができません。また,その場で資料を提出するということもできないため,調停委員に参照してほしい資料がある場合は事前に提出しておき,目を通しておいてもらうことが重要になります。

 とはいえ,これらは事前の準備を十分に行い,調停委員の考え方も確認しながら協議を進めることである程度回避できると考えられ,デメリットとして大きなものではないと思われます。

 なお,離婚調停では,調停を成立させる場面では原則として当事者が家庭裁判所に出頭しなければならないことになっています。したがって,電話会議による調停で協議を重ねた結果,合意がととのい離婚調停を成立させるという段階に至った場合は,原則として両当事者が家庭裁判所に出頭することになります。

 もっとも,最後の1回だけとはいえ,遠隔地に住む当事者にとっては裁判所への出頭はやはり負担の大きいものです。

 そこで期待されるのが「調停に代わる審判」という方法です。

 家事事件手続法284条では「家庭裁判所は,調停が成立しない場合において相当と認めるときは……職権で,事件の解決のため必要な審判をすることができる。」とされています。

 この規定を活用し,それまでの協議によって形成された合意内容を,調停ではなく家庭裁判所の審判という形をとることによって,当事者の出頭義務を回避することができます。

 ただし,調停に代わる審判に対しては,審判の告知を受けた日から2週間以内に異議を申し立てることができ,異議の申立てがあると審判の効力が失われるというリスクがあります。したがって調停に代わる審判を利用する場合には,当事者双方が内容を十分理解し納得していることが前提となります。

 以上のとおり,隔地者間でも調停を利用しやすくする電話会議システムですが,電話会議の利用を認めるかどうかはあくまで裁判所が決定するものです。そして,電話だけでは本人確認できないことから,実務上は弁護士が代理人としてついている場合でなければ基本的に電話会議の利用は認められていないようです。

 離婚問題でお悩みの方は当事務所までご相談ください。

 執筆者:弁護士法人山下江法律事務所 弁護士 稲垣 洋之

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