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2020/06/18

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2020.6.26公開

1.はじめに

 子の引渡しに関して,民事執行法とハーグ条約実施法(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律)が令和元年5月10日に改正され、令和2年4月1日から施行されることとなりました(一部例外あり)。
 裁判所から子の引渡しを命じられても債務者(子の引渡しや返還をしなければならない人)が子を引き渡さない場合、強制執行をする必要があります。
 強制執行の方法には、間接強制(裁判所が引渡しや返還に応じるまで1日〇円支払うよう命じる方法)と直接的な強制執行(裁判所の命令を受けた執行官が子のいる場所に赴いて引渡しや返還を実現する方法)があります。

2.改正前の問題点

 ①子と債務者の同席が必要だったこと

  改正前の子の引渡しの直接強制は、ハーグ条約実施法において子の返還のためには子が債務者と一緒にいる (同時存在)が必要とされていることを受けて、子と債務者の同席が必要とされていました。
  これにより、債務者がいる場所で引き渡される子の精神に葛藤が生じたり、深夜や早朝の執行を余儀なくされたりして、子の心身の負担が大きいという問題点がありました。

 ②間接強制を先行させる必要があったこと

  改正前のハーグ実施法では間接強制の前置が必要とされていましたが、強制執行の迅速性や実効性が図れないという問題点がありました。

3.改正後の内容

 ①子と債務者の同席が不要となったこと

  子と債務者の同時存在は不要とされました。他方で執行場所において債務者が存在しないことにより子が事態を飲み込めず不安になることを避けるため、原則として債権者(子の引渡しを求める人)の出頭が必要であるとされました(175条5項)。

 ②一定の要件を満たせば、間接強制を先行させなくても申立て可能になったこと

  申立ての要件によっては、間接強制を実施した後でなくとも直接的な強制執行の申立てをすることができるようになりました。ただ、その場合の要件(民事執行法174条2項2号、同条項3号)の解釈には議論があり、迅速な解決のためには、裁判所の決定を求める申立書において、要件に該当する具体的事実をきちんと記載する必要があります。

4.最後に

 学生時代、国際私法及び国際民事手続法の勉強でハーグ条約に触れたときは、同条約の批准によるハーグ条約実施法の制定や、その中で子の返還の執行手続きが規定されたことによる国内の子の引渡しの実務への影響まで考えが至りませんでした。しかし、弁護士としてこの度の改正内容を考えてみると、依頼者の方々の満足度、お子さんの心身の負担、弁護士自身の業務内容といった様々な側面に対する影響が少なくないものだと思います。
 強制執行は身近な手続きではないかもしれませんが、どんな事件においても結局強制執行をしなければ依頼者の方々の満足を図れないということもありますので、お困りの際は当事務所にご相談ください。

 執筆者:弁護士法人山下江法律事務所 弁護士 金重 浩子

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