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相続法改正~自筆証書遺言はどうやって作成するの~

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目次

相続法改正~自筆証書遺言はどうやって作成するの~

1 以前の法律と自筆証書遺言

生前の相続対策において最も簡単で最も有効なものに遺言があります。遺言には自筆証書遺言,公正証書遺言,秘密証書遺言の3種類があります。この3種類のうち最も簡単に作成できるのが自筆証書遺言というものです。
よくお父さんのタンスから遺言が見つかった!などと聞きますがそれは自筆証書遺言です。
自筆証書遺言の書き方は非常に簡単です。遺言者が,①その全文②日付③氏名を自書して④印を押す。たったこれだけです。自筆証書遺言の作成には,封筒に入れて封をすることも法律上は特に求められていません。もちろん,作成した遺言を封筒に入れて封をし,貸金庫などで保管するに越したことはないです。
これだけ聞くと誰でも簡単に作成でき,特に問題はないように思えます。しかし山林や畑,有価証券,預金,株などたくさんの財産がある方は意外と大変なのです。

「●●銀行△△支店・普通預金・口座番号〇〇は長男に相続させる」
「□□銀行××支店・普通預金・口座番号〇〇は次男に相続させる」
「所在:〇県〇市〇区〇町 地番:〇〇 種目:宅地の不動産は三男に相続させる」
「所﨑:〇都〇区〇町 地番:〇〇 種目:宅地の不動産は三男に相続させる」
「●●会社の株式1000株は長男に相続させる」

通常遺言を作成する方は高齢の方が多いですが,高齢の方に多くの文字を自署で書かせるのはかなりの負担になります。また,文字を多く書かせることはその分記載ミスなどの可能性が高くなり遺言が無効になる可能性もでてきます。せっかく簡単に遺言が書けるように自筆証書遺言という制度を作っているのに,全て自署を求めたばかりに逆に遺言が無効になる可能性が高くなるのは本末転倒です。
そこで自筆証書遺言の作成方法について法律が変わりました。

2 自筆証書遺言の方式緩和

自筆証書遺言を作成する場合に,遺言事項と添付書類である財産目録を分けて考えることになりました。
遺言事項は従来通りに自署が必要です。他方で,添付書類の財産目録については自署が要求されなくなりました。つまり,添付書類の財産目録の部分については,ワープロ書きでの記載,登記事項証明書や預金通帳の写しをそのまま使うこともできるのです。ただし,財産目録にはページごとに遺言者の署名・押印が求められます。
 具体的に検討してみましょう。

「長男には別紙1の不動産,別紙2の預金を相続させる」
「次男には別紙3の不動産,別紙4の預金を相続させる」
「三男には別紙5の不動産,別紙6の預金を相続させる」
令和●年●月●日
遺言 太郎 ㊞

ここまではこれまでと同様,遺言者が全て自署で記載する必要があります。
そして別紙はワープロで作ってもいいですし,登記事項証明書に別紙1と書いて遺言に添付する方法でもいいのです。預金通帳の写しをとり,そこに別紙2と記載して添付することもできます。
 そして,添付書類の別紙1~別紙6に遺言者が署名・押印をすれば自筆証書遺言が完成です。
従来までのように全て自署でする場合と比べると負担が格段に軽くなりました。

3 新制度について

 上記のような自筆証書遺言の作成方法は,2019年1月13日からスタートしています。そのため,今後自筆証書遺言を作成する方は,遺言事項は自署で記載し,添付書類はワープロや登記事項証明書の写しを使用するという方法で自筆証書遺言を作成することができます。
 全て自署で作成することは大変だと思いますので,是非添付書類についてはワープロや資料の写しを使うことを検討してください。

4 最後に

遺言は相続に関する紛争を未然に防ぐ非常に重要なものです。遺言を作成することで,あなたの財産を誰にどのように取得してほしいか伝えることができます。また,そうすることで残された方もあなたの気持ちを尊重することができるのです。
自分が亡くなった後に残される方々のことを考えるのであれば,必ず遺言を作成するようにしてください。

執筆者:東京支部長/岡篤志

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